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今回は、EXCEL VBAの条件分岐について説明をする第2回目です。
サンプルのExcelファイルである計算機についてのオペレーションについて説明をしながら、分岐条件の内容について解説を行います。
例えば、1111+5を行う場合を例にします。
下図は、ボタン「1」を4回押されたときの図です。セル番地「B3」には「1111」と表示されています。セル番地「B3」は計算機としてのディスプレイの役割を果たしています。
次に「+」ボタンを押します。すると、一旦、セル番地「B3」はクリアされます。さらに、ボタン「5」を押すと、セル番地「B3」には「5」と表記されます。この状態で、「計算」ボタンを押すと、「1111」+「5」を計算して、「1116」という結果をセル番地「B3」に表示します。ちなみにこの際に「1116」という数値を内部で記憶しています。
さらに、結果の「1116」に「1」を足したい場合には、ボタン「1」を押して、・・・・といったオペレーションとなるわけです。
その際には、セル番地「B3」には、「11161」と表示するのではなく「1」と表示する必要があります。
数値を入力している最中の場合、例えば、セル番地「B3」に「111」と表示されている場合には、ボタン「1」を押すとセル番地「B3」には「1111」と表記します。よって、この場合にはボタン「1」のプログラムとしては、セル番地「B3」の文字の右側に「1」と文字を結合して表示する必要があります。
しかし計算ボタンが押された後には、例えば、セル番地「B3」に「1116」と表示されている場合には、ボタン「1」を押すとセル番地「B3」には「1」と表記します。よってこの場合にはボタン「1」のプログラムとしては、セル番地「B3」の文字を一旦、クリアして「1」と文字を表示する必要があります。
つまり、ボタン「1」という処理は状況によって、セル番地「B3」に表示されている文字に「1」を結合して表示する場合と、セル番地「B3」を一旦、クリアして文字「1」を表示する場合があるわけです。
この際の状況というのが、ボタン「1」を押す前にどのボタンを押していたのかということです。
EXCEL VBAでは、ボタン毎にプログラムを記載しますが、ボタン「1」という処理だけでは判別できない内容に対して、Public変数を使用して前の状態を保持しておく訳です。
具体的には、「計算」ボタン処理内でPublic変数に特定の文字を代入しておき、ボタン「1」処理内でPublic変数の値をチェックすることにより、前の状態を判別します。
具体的には、Public変数である「表示モード」に、「計算」ボタン処理内で「結果」という文字を代入しておき、上記のif文で表示モード内の文字を判別して処理を行います。
上記より、計算ボタンが押された後に「1」ボタンを押した場合にはセル番地「B3」の文字を一旦、クリアしてさらに「1」と文字を表示する必要があります。
上記のプログラムでは、セル番地「B3」をクリアしているだけですので、この後、セル番地「B3」に「1」を表示すれば良いわけです。
セル番地「B3」に「1」を代入するには、下図のように記載します。
このように記載しますと、
Range(“b3″).value=””
にてB3セルをクリアしてから、次の行で
Range(“b3″).value=”1”
をセットしていますが、
Range(“b3″).value=””
は不要であることが分かります。
今回の場合には、ifの条件分岐が1つですがその他に条件分岐したい場合には、以下のように記載します。
If 条件式1 Then
条件式1を満たす場合の処理
ElseIf 条件式2 Then
条件式2を満たす場合の処理
ElseIf 条件式3 Then
条件式3を満たす場合の処理
Else
その他の処理
End If
上記ではElseIfは2つですが、いくつでも記載できます。また、今回の例のようにElseIfがなくてもよいです。Elseは条件式1、条件式2、条件式3のいずれの条件も満たさない場合に処理がされます。Elseは無くてもよいです。
また、条件式内では上図では
表示モード = “結果” Or 表示モード = “記録”
となっています。Orは論理和を示し、表示モードが”結果”または”記録”の場合に処理が行われます。つまり、Orの場合にはどちらかの条件を満たせば、良いわけです。
条件式内でよく出てくる内容としては、and(論理積)があります。
例えば、
If 得点> 79 And 得点 <= 100 Then
MsgBox “優秀です”
End if
となった場合、得点が79より大きく、かつ、100以下の場合に、条件式内の処理が行われます。つまり、Andの場合にはすべての条件を満たす必要があるわけです。
ちなみに、MsgBoxはダイアログボックスを表示する関数で、「優秀です」と表示されたメッセージボックスが表示されます。
今回のようにボタン「1」を押された場合の処理といった具合に、プログラムはそれぞれの部分毎にプログラムを作成していく必要がありますが、それぞれの部分の処理であっても、その処理は全体のプログラム、今回の場合でいうと「計算機」というプログラム全体の中で機能する処理です。
そのため、今回のように例えば前の状態によって、処理を場合分けしたりといったことが必要になってきます。今回の場合には、2つの分岐条件でしたがシステムが複雑になるともっと複数の場合分けが必要になってきます。
場合分けが複雑になってきますと、段々と頭の中が整理できなくなってきて、プログラムがむちゃくちゃになってしまうことがあります。プログラムの入門書などで勉強をしているとプログラムの言語仕様(文法)の細かい説明が多くなりますので、勉強している方もそのようなプログラムの言語仕様が理解できるとプログラムが理解できると考えがちですが、今回のように言語仕様の内容だけではなく、もっと大きな処理の全体の流れをつかむことが重要です。
また、場合分けなどが複雑になってきた場合には、単に頭の中だけで考えているだけでは整理が難しいので、紙に書いて整理するということも必要になってきます。そのように、紙に書いてプログラムの仕様を整理したものが、プログラムの設計書となっていく訳です。
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