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今回は、EXCEL、VBAプログラミングの第15回目で、四則演算について説明をします。四則演算に関しては次の回にも続きますので、今回は四則演算の第1回目です。
今回は、以下のことについて解説を行っています。
1)はじめに
2)関数の呼出しと四則演算
3)プログラムの全体像を理解する
1)はじめに
本EXCEL、VBAプログラミング講座では下記の簡単な計算機の制作の仕方を通じて、EXCEL、VBAプログラミングについて解説を行っております。現在は、下図の「+」ボタン処理について解説を行っております。
図1.計算機システム
それでは「+」ボタン処理が行われた際のコードを表示してみます。下図の通り、上部の「開発」タグを選択後に「デザインモード」をオンにします。
図2.プログラムコードの表示
「デザインモード」をオンにすると下図の通りに「デザインモード」欄の色が暗くなります。「デザインモード」をオフにするには、オンの状態でもう一度「デザインモード」欄を押すとオフとなり色が再度、変わります。
「デザインモード」がオンの状態で「+」ボタンを選択して、マウスに右クリックでメニューを表示し、「コードの表示」を選択します。
足算がクリックされた時は、下図の通り
Private Sub 足算_Click()
~
End Sub
が処理されます。
図3.足算クリック処理
「足算_Click()」処理では、
Call 四則演算(“足算”)
で、下図の四則演算関数を呼び出しています。
図4.四則演算処理
2)関数の呼出しと四則演算
「図1.計算機システム」のシートで「+」ボタンを押した際には、
Function 四則演算(演算子 As String)
の「演算子」変数に「図3.足算クリック処理」で「足算」という文字をセットしています。
そのため、「図4.四則演算処理」では
Select Case 演算子
内で
Worksheets(“sheet1”).Range(“b3”).Value
= CDbl(一時記憶) + CDbl(Worksheets(“sheet1”).Range(“b3”).Value)
の処理が行われる訳です。
同様にして、「図1.計算機システム」の「-」ボタンを押すと、「図3.足算クリック処理」で、
Private Sub 引算_Click()
Call 四則演算(“引算”)
End Sub
が処理されます。
「四則演算」関数は「足算」「引算」「掛算」「割算」の各処理で共通に利用される関数です。しかし、共通に利用される関数であっても当然、呼び出さる場所やタイミングによって処理を切り分ける必要があります。処理を切り分けるために利用される1つの方法が関数の引数になります。
関数の引数とは
Function 四則演算(演算子 As String)
の「演算子 As String」が該当します。
「図1.計算機システム」の「-」ボタンを押した時に、「四則演算」関数を呼び出す際の引数として「引算」という文字を渡しているので、結果、「図4.四則演算処理」の
Select Case 演算子
内では
Case “引算”
Range(“b3”).Value = CDbl(一時記憶) – CDbl(Range(“b3”).Value)
の処理が行われます。
Range(“b3”).Value = CDbl(一時記憶) – CDbl(Range(“b3”).Value)
では「一時記憶」変数の値からセル番地「b3」に入力されている数値を引いた結果をセル番地「b3」に表示しています。
同様に「図4.四則演算処理」より、掛け算は
Range(“b3”).Value = CDbl(一時記憶) * CDbl(Range(“b3”).Value)
と「*」が掛け算を表しています。
割り算は
Range(“b3”).Value = CDbl(一時記憶) / CDbl(Range(“b3”).Value)
と「/」が割り算を表しています。
「図4.四則演算処理」の
Select Case 演算子
~
End Select
にて四則演算処理を行いますが、その際にはすべての結果を
Range(“b3”).Value
に代入しています。
さらに、以下の処理にて次に備えて結果を「一時記憶」変数に代入しています。
一時記憶 = Worksheets(“sheet1”).Range(“b3”).Value
3)プログラムの全体像を理解する
「図4.四則演算処理」処理では、
If 一時記憶 = “” Then
~
Else
~
End If
によって、「一時記憶」変数の値により処理が分岐しています。さらに
Select Case 演算子
Case “足算”
~
Case “引算”
~
Case “掛算”
~
Case “割算”
~
End Select
によって、「演算子」変数の値により処理を切り分けています。
「一時記憶」「演算子」変数ともに「図4.四則演算処理」処理内で代入される変数ではありません。従って、処理を理解するにあたって「図4.四則演算処理」処理内の1行1行が何を行っているかを理解する必要がありますが、「一時記憶」「演算子」変数の値がどこでセットされているかという視点で、全体の処理にも注意する必要があります。
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