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今回は、EXCEL、VBAプログラミングの第19回目で「配列のプログラムを稼働させる」というテーマで説明をします。
今回は、以下のことについて解説を行っています。
1)はじめに(動的配列の定義と配列の定義)
2)配列のサンプルプログラムの解説
1)はじめに(動的配列の定義と配列の定義)
今回は、前回に引き続き配列に関する説明を行います。下記の計算機システムの「記録」ボタン処理内で配列が利用されています。そのプログラムの紹介を通して配列について説明を順次行っていきます。
図1.計算機システム
「記録」ボタンを押した時の処理は下図の通りです。
図2.記録クリック処理
「’」(シングルコーテーション)ではじまる部分はコメントですから、実質的な処理は以下の部分です。
ReDim Preserve 記録配列(記録配列数)
記録配列(記録配列数) = Range(“b3”).Value
記録配列数 = 記録配列数 + 1
MsgBox “記録されました”
前回までの説明で「記録配列」変数は標準モジュールの「Module1」に定義されており
Dim 記録配列() As String
と定義されていることを説明しました。
通常の配列ですと例えば、
Dim 記録配列(2) As String
と配列の要素数を指定して定義しますが、動的配列の場合には上記のように要素数を指定せずに定義します。動的配列を利用することにより、事前に配列の要素数を決めずに配列を定義できます。
2)配列のサンプルプログラムの解説
今回は、配列についてもう少し解説を行います。以下のサンプルプログラムについて解説を行います。
Sub 配列()
Dim i As Integer
Dim A(3) As Integer
‘配列要素のデータを入力する時
For i = 0 To 3
A(i) = i*3
Next i
‘配列要素のデータを出力する時
For i = 0 To 3
Cells(i + 1, 1).Value = A(i)
Next i
End Sub
上記のサンプルプログラムについて上部から順に説明を行います。
Dim i As Integer
では、iをInteger型(整数型)として定義しています。ここで気を付ける点としては、Integer型は「-32,768 ~ 32,767の整数」までの数値しか扱えません。つまり、40,000などの数値を扱うことはできないということです。
40,000などの数値を扱いたい場合には、Long型を利用して下さい。Long型は-2,147,483,648~2,147,483,647の整数が扱えます。Long型を利用する場合には
Dim i As long
と定義します。
Dim A(3) As Integer
で要素数が4の配列を定義しています。配列の添え字は0から始まります。つまり、A(0), A(1), A(2), A(3)の4つの要素数が利用できます。
For i = 0 To 3
~
Next i
で、iが0から始まり3になるまで4回の繰り返し処理を行います。
繰り返し処理を行う範囲は
Next i
までの部分です。
もう少し詳細に説明をしますと
For i = 0 To 3
は、
For カウント変数 = 最初の値 To 最後の値
と定義します。
つまり、1回目の処理の際には、
i = 0
がセットされて処理が行われ、
Next i
の部分でiがカウントアップされてiが1となります。最終的には、i=3となるまで4回ループされます。
A(i) = i*3
で各配列要素に数値を代入します。
1回目のループ時は
i = 0
ですから、
A(0) = 0*3
となり、A(0)には「0」がセットされます。
同様に2回目のループ時はi = 1ですから、
A(1) = 1*3
となり、A(1)には「3」がセットされます。
さらに出力処理の
For i = 0 To 3
Cells(i + 1, 1).Value = A(i)
Next i
も同様です。
Cells(i + 1, 1).Value
の部分はExcelのセル番地を示しています。
Cells(行番号, 列番号)
となります。つまり、1回目のループ時はi = 0ですから、
Cells(0 + 1, 1).Value = A(0)
となりCells(1, 1)の場所、つまりセル番地「A1」にA(0)の値をセットしています。
Cells(i + 1, 1).Value
の部分は
Range(“A” & i + 1).Value = A(i)
とも記載可能です。
仮にCellsの部分を
Range(“A” & i + 1).Value = A(i)
のように記載した場合の1回目のループではiが「0」ですから、
i + 1
は
0 + 1
となり、「1」となります。
また、「&」は文字の結合ですから、
Range(“A” & 1)
は
Range(“A1”)
と同じ意味となります。
Rangeの方がExcelのシートの表記方法と同じなので見やすいですが、Cellsは行、列ともに数値で表現されていますので、プログラム上で行列どちらにも変動する場合には容易に記述できます。Rangeの場合は列方向が「A」などとアルファベット表記なので、プログラム上で列方向に動かす場合には苦労します。
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